データのありかへ、舵をきれ!
航海士とは、冒険の守り人。
一等航海士として安全な航海を導きながら、
船の上の道具を使って整備も修理もお手のもの。
頼れるアニキの裏の顔は、あれれ、家具職人ですか…?!
いつも楽しい道を選ぶ。TANKYUとは、人生のDIYだ!
データのありかへ、舵をきれ!
航海士とは、冒険の守り人。
一等航海士として安全な航海を導きながら、
船の上の道具を使って整備も修理もお手のもの。
頼れるアニキの裏の顔は、あれれ、家具職人ですか…?!
いつも楽しい道を選ぶ。TANKYUとは、人生のDIYだ!
一等航海士として調査船の「たんさ」に乗っています。 「たんさ」は後ろに8000mくらいの長いケーブルを10〜12本つけて、それを引っ張りながら海底下の地質構造を三次元的に調べる船です。 これだけケーブルが長いと、他の船がケーブルを横切って転覆したり、ケーブルが切れたりするリスクが常にあります。 ですから私の仕事はまずその見張りと、実際に船に遭遇した時の無線での進路調整。 他にも甲板部として船のあちこちを整備しています!
山だらけの街で育ったため、海に近い場所に住んでいる祖父母の家に行くのがいつも楽しみで、海の仕事には憧れがありました。 それで水産学部に入ったら、入学後に航海士になれるコースがあることに気づき、面白そう!と迷わず飛び込みました。 最初の頃はただ「いろんな国に行ける商船や貨物船に乗れたらな〜」と思っていましたが、就活でNMEと調査船の存在を知って、「え、荷物運ぶだけじゃなくていろんな生き物にも出会えるの!?」とまたまた迷わずに選択。 常に楽しそうな方を選んでいます(笑)。
無線で他の船に連絡し、うまくコミュニケーションをとって進路の調整ができると内心ガッツポーズです。 ケーブル付近を通りかかる漁船の漁師さんたちも生活がかかっているので、「どうしても今日はここで魚を獲りたいんだ!」とおっしゃることもあります。 ですから自分たちがどう動き、何時にどこを通る予定なのかという意図を明確伝え、譲り合って協力することが肝心です。 協力の結果、調査をそのまま続行できて、研究者たちに「いいデータが取れたよ!」と言ってもらえるのが何よりの喜びです。
「たんさ」に初めて乗った時のことです。 それまで乗った船は、船自体が調査航海を何度も経験済みのものばかりだったのですが、「たんさ」はそれが初めての調査航海。 しかも当時二等航海士だった私が乗組員の中で最も調査船の経験があるという状況で、私から上長たちに教えなくてはならない場面も多々ありました。 ですがそのプレッシャーを乗り越え、いろんな会社からやってくる乗組員たちの微妙に違うルールを擦り合わせて「たんさ」用のルールをつくり上げていけた時は強い達成感がありました。 警戒船の動かし方の指示なども、普通は船長や一等航海士の人がするのですが、二等航海士の立場で経験できたのは自分の成長につながりました。
よくぞ聞いてくれました。 DIYです! 甲板部で整備業務をしているとどんどん修繕やモノづくりの技術が身につくので、最近は家の隙間にジャストサイズの棚をつくり、テレビ台をつくりと、あれこれ生み出しまくっています。 最近は家の中にもうつくるものがなくなって、家の裏を雑草防止のためにコンクリートで埋めたり、妻の姉の家に花壇をつくったりと外に広がっています(笑)。 水道関係のトラブルもほぼ自分で直せるので、甲板部、身に付くスキル的にお得ですよ!
結構なゲーマーでした。 その頃ちょうど、冒険しながらキャラクターをゲットしていく系のゲームがいくつか出て、めちゃくちゃハマりましたね。 リアルでも、祖父母の家の近くの海でカニや魚を素手で捕まえ、なかば野生児のような生活。 泳ぐのももちろん好き、総じて海がなんとなく好き。 間違いなく、今につながる原点です。
今さらの説明にはなりますが、私は現在Ocean Geo Frontierという会社に派遣されながら、エネルギー・金属鉱物資源機構(通称JOGMEC)の所有船「たんさ」に乗っているという状況です。 以前出向した時も思ったのですが、NMEの外に出て働く経験は、他社の社員さんや外国人船員さんと一緒に働いて視野を広げるチャンスです。 他の会社がどのように人や船の管理をしているか、外国人が多いと何が違うか、どんなことに気をつけてコミュニケーションをとれば仕事がうまく運びやすいか。 そして何より、外から見たNMEの良さとは何か。 こうしたことを学び、吸収し、いかにNMEに還元していくかが今後の探求ポイントになりそうです。 船長にも、もちろんなれたら良いのですが、個人的にはあまりポジションにはこだわりません。 会社に貢献できたらなんでも嬉しいです!
藤井 俊輔Syunsuke Fujii
船員(航海士)
2009年入社
2009年に三等航海士として入社し、「よこすか」に乗船。 2010年より海務部に勤務し、「なつしま」「かいよう」の海務監督を務める。 2012年から再度三等航海士として海上勤務後、2015年にニッスイマリン工業へ出向してJOGMEC所有の三次元物理探査船「資源」に乗船する。 陸上勤務を挟み、Ocean Geo Frontier(OGF)へ派遣 。 JOGMECの三次元物理探査船「たんさ」に二等航海士として乗船。 2024年からは一等航海士として「たんさ」に乗船している。