弊社社員が「みらい」北極航海における海氷情報表示簡易システムを構築しました

〜WebGISを用いた海氷情報表示簡易システム〜

「みらい」北極航海では、年ごとに大きく変動する海氷状況に合わせ観測計画および観測活動を円滑に進めるため、様々な海氷情報を船上で活用している。 近年、国立極地研究所、北極域データアーカイブ(ADS)が開発したVENUSをメインで使用している。 北極海全域や観測海域全域の気象および海氷密接度、氷厚、海面水温予測が本船航跡と共に表示される。 航海全体の状況把握に非常に有効なツールであるが、海氷縁に近い海域を航行したり、海氷縁観測のために海氷状況を把握する目的としては、解像度が不足していた。 そこで海氷情報をユーザー側でより扱いやすく表示させる方法としてWebGISに着目し、簡易版の海氷情報表示システムをMR21-05C北極航海に合わせて構築した。

〜システム概要〜

WebGISとして、マルチレベルの解像度の自作マップをGoogleマップの様な操作感で扱える初心者向けのJavaスクリプトライブラリであるLeafletを「みらい」船内Webに導入した。 自作マップの表示要素として、海氷予測モデル、合成開口レーダ(SAR)画像を準備し、GDALユーティリティーによるデータ変換およびGMT(Generic Mapping Tool)により作画した。 本船位置・航跡・予定測点については船内サーバーにあるデータをgeojson形式に変換しWeb上に直接表示した。

〜表示例〜

データの表示例を下記に示す。 海底地形図・EEZ範囲を背景として、海氷予測表示、SAR画像、自船位置・航跡・予定測点がそれぞれオーバーレイさせることが出来る。 さらにオーバーレイする要素については、透過度を調整することで、衛星画像と海氷情報、または海底地形等の位置関係の把握が行いやすくしている。 また、現場観測において求められる測点変更に伴うシップタイム計算の効率化を図るため、表示システム上で任意の地点間の距離計測機能を付加した。

SAR+RIOPS 透過図
WebGIS 距離計測例